春秋座

「はい、ご返事。」前の便箋とはちがう、巻紙を引きちぎったような小さい紙片を差し出した。毛筆で書き流してある。 春秋座 それだけである。他には、なんにも書いていない。「なんですか、これは。」僕は、さすがに腹が立って来た。愚弄《ぐろう》するにも程度がある。「ご返事です。」女は、僕の顔を見上げて、...

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たいへんな決意

 たいへんな決意で、芝の斎藤氏邸に出かけて行ったが、どうも斎藤氏邸は苦手《にがて》だ。門をくぐらぬさきから、妙な威圧を感ずる。ダビデの砦《とりで》はかくもあろうか、と思わせる。 ベルを押す。出て来たのはれいの女性だ。やはり、兄さんの推定どおり、秘書兼女中とでもいったところらしい。「おや、いらっし...

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新約を読んでも

 実に、こまかいところまで教えてある。さぞ面倒くさかった事であろう。モーゼは、これらの鳥獣、駱駝や鴕鳥の類まで、いちいち自分で食べてためしてみたのかも知れない。駱駝は、さぞ、まずかったであろう。さすがのモーゼも顔をしかめて、こいつはいけねえ、と言ったであろう。先覚者というものは、ただ口で立派な教えを...

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