あこがれる志

そしてそれが一段一段と行き渡る。日が出た。惜しい事には己はすぐ羞明《まぶ》しがって背を向ける。沁《し》み渡る目の痛《いたみ》を覚えて。

あこがれる志が、信頼して、努力して、最高の願の所へ到着したとき、成就《じょうじゅ》の扉《とびら》の開《あ》いているのを見た時は、こんなものだな。その時その永遠なる底の深みから、強過ぎる、焔《ほのお》が迸《ほとばし》り出るので、己達は驚いて立ち止まる。己達は命の松明《たいまつ》に火を点《とも》そうと思ったのだが、身は火の海に呑《の》まれた。なんと云う火だ!この燃え立って取り巻くのは、愛《あい》か、憎《にくみ》か。喜《よろこび》と悩《なやみ》とにおそろしく交《かわ》る交《がわ》る襲われて、穉《おさな》かった昔の羅衣《うすもの》に身を包もうとして、又目を下界に向けるようになるのだ。好《い》いから日は己の背後の方に居《お》れ。己はあの岩の裂目《さけめ》から落ちて来る滝を、次第に面白がって見ている。一段又一段と落ちて来て、千の流《ながれ》になり万の流になり、飛沫《とばしり》を高く空中にあげている。

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